その場にないものを想像し、それがあたかもあるように振る舞い(演技し)それを共演者と共有する作業を行いました。3〜4名のグループに分かれ、それぞれ場所と人間関係と状況を決めて、具体的な「物」が何も無い中で、グループの全員ができるだけ他の人が創りだした「その場にあるべきもの」に関わって、想定した状況を即興で演じるというものです。
自分が作るだけでなく、相手がどう演じたかを見ていて、それを正確に引き継いで演技に取り入れなければなりません。物の位置が狂ったり、自分の演技に気を取られて持って、あるはずの物が消えてしまったり・・・笑えるハプニングもありましたが、なんとなくその場がどこなのか、見えてきました。もちろん演技の精度があがればもっとくっきりと場が見えるのでしょうが、全員である空間(場)を創りだすために、演技者が意識しなければならない感覚みたいなものは、みなさん自覚できたのではないでしょうか。
そして、その感覚は映像向けの演技ではなく、舞台で演じる演技ならではのものではないかと思います。